《その4》
 
事例《16》
兵庫県尼崎市
阪急武庫之荘駅南側の某マンション
震災から2ヶ月あまり経ったのですが、全く手が付けられていないのは居住者間の紛争のせいでしょうか。
コンクリートの梁が折れて下方に沈んでしまったため、1階駐車場の車が7〜8台潰れています。
通常のコンクリートの建物であれば考えられない光景です。
おそらく日本の規格のエアの多いポーラスなコンクリートのせいです。
粘りのないカサカサとしたコンクリートが、鉄筋から剥離して散乱しています。
1000年に1度の直下型の大地震とはいえ、たった20秒ほどでこのように潰れてしまうとは、とても信じられません。
周辺のコンクリートの同じような建物が建材であることを考えると、このマンションは打ち継ぎやいろいろな点がないがしろにされていたとしか思えません。
 
事例《17》
兵庫県伊丹市野間
山陽新幹線高架橋とその付近
野間高架橋の震災直後です。
コンクリートと鉄筋が剥離しています。RCのメリットというのは、『コンクリートと鉄筋の一体化』にあるのですから、このような粘りの無いコンクリートで鉄筋の束をただ包んだだけでは、全く無意味です。
しかも補強筋に使われている鉄筋は、人の手で簡単に曲げることのできる25カーボンのマイルドスティール(軟鋼)なので、RCの補強には全く役に立ちません。
あくまでも主体はコンクリートなのですから、基本に沿って正しく打設しなくてはなりません。
 
事例《18》
兵庫県西宮市/尼崎市
阪急電鉄武庫川鉄橋
震災によってこの鉄橋はわずかに地盤沈下が発生しただけで、阪急電車は翌日からこの鉄橋を使って運転しています。
戦争中、西宮に住んでいた人々は爆撃によって電車が普通になると、この鉄橋を歩いて渡ったものです。
70年以上経っているこの鉄橋は大震災にもビクともしていません。
これが本当のコンクリートなのです。
 
事例《19》
兵庫県西宮市/尼崎市
JR東海道本線武庫川鉄橋
JRの鉄橋は阪急電鉄より約1キロ下流にあります。
ここのコンクリートは阪急武庫川鉄橋(事例18)よりも古いものと推定され、100年ほど経っていると思われます。
震災で倒壊した高速道路や山陽新幹線のまだ新しい高架橋のコンクリート支柱と比較すると、現在の日本のRCに対する考え方が間違ったものであることがよくわかります。
地震の衝撃によって、曲がった鉄筋の束が露出してそのあとからカサカサのコンクリートの破片が散乱する、というのはもっとも悪いコンクリートです。
左の写真のように100年近く経った今でも、ビクともしないコンクリート。これが高密度コンクリートです。
 

《その1》《その2》《その3》《その4》